文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」等に本学から4件が採択

文部科学省が大学などの将来性ある教育に財政支援する新規事業「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に、今年度、全国の国公私立大学・短大・高専から559件の申請があり、本学から2件の取組が採択されました(計86件の取組が採択され、複数の採択は本学を含む5校のみ)。また、これとは別に「海外先進教育研究実践支援プログラム」には、今年度、本学から2件が採択されています(169校780人の申請があり、143校520人が採択)。

※GPはGood Practice(優れた取組)を意味する。

小林尚登(工学部教授/アメリカ研究所副所長)
取組担当者 小林尚登(工学部教授/アメリカ研究所副所長)

現代GP「情報技術(IT)を活用した実践的遠隔教育(e-Learning)」
新しい国際遠隔教育の構築に向けて
―コンテンツ開発とオンデマンド教育―
取組拠点 情報技術(IT)研究センター

この度、平成十六年度の現代GPという枠組みの中の「情報技術(IT)を利用した実践的遠隔教育(e-Learning)」で、IT研究センターを取組拠点とする「新しい国際遠隔教育の構築に向けて―コンテンツ開発とオンデマンド教育―」が採択され、文部科学省より財政支援を受けることとなりました。本取組は、いろいろな学部に属する学生が共通して受講を希望する新しい科目のオンデマンド教材開発を目指しています。

従来のカリキュラムは、「時空上・施設上の制約」がありましたが、インターネット技術の発達により、それらの制約も克服可能となり、任意の時間で新しい授業科目等の受講が可能となりました。

本学では、既に「MBA(経営学修士)関連科目」や「介護・看護における先端科学技術」等の科目を、国際遠隔講義を含む形で実施しています。そこで、これらの新しい教育ニーズに対応した科目を、デジタル教育コンテンツとして整備することにより、オンデマンドで、「いつでも・どこでも・誰でも」受講可能な形で学生に提供する『オンデマンド教育システム』の構築を本取組では目指しています。

最初にオンデマンド教材として整備することを目指しているのは、「MBA基礎科目」「介護・看護における先端科学技術」「キャリアデザインケーススタディ」のように、既に双方向国際遠隔授業を実施している科目です。

しかし、従来のリアルタイムの授業をそのまま蓄積するだけでは不十分ですので、オンデマンド教材として「作り込む」作業が必要になります。これらの作業は未だ経験がありませんので、試行錯誤が続くことになると思われます。また、オンデマンド教材として広く利用することを考えると、著作権や肖像権などの法的に整備しなければならない問題も山積しており、オンデマンド教育で単位を発行する仕組みの整備なども頭の痛い問題です。

ところで、大学教員の意識の中に占めるミッションは、最も大きなものが「学問の探求」であり、次が「学門の伝承としての教育」だと思われます。

その一方、トレーニングとしての教育は、意識の中に占める割合としては低いのかもしれません。そして、そのトレーニングに関しても、各自の専門をシーズとするシーズ主導型のトレーニングであり、学生や社会のニーズ主導型のトレーニングというのは、大学教員の意識の中で、さらに比重が小さいように思われます。また、トレーニングの方法も、学生のことを考えた「Student Friendly」の手法ではなく、「Professor Friendly」 の手法になりがちかもしれません。

今回採択された本学のプロジェクトは、現代GPの一テーマであることから、ニーズ主導のトレーニングコースで、「Student Friendly」 であることを求められているわけです。このような見方をした場合、従来の大学教員にとっては本能的に違和感のあるものかもしれません。

しかし、私立大学は市場経済の社会における一つの私機関ですから、組織としては、ニーズ主導でクライアントに便利なトレーニングコースを重視しなければならないと思われます。

本学では、二〇〇〇年度よりアメリカ研究所を設立して、そこからのインターネットを利用した双方向遠隔授業を開拓しており、前述のようなMBA基礎科目の配信等の先駆的な試みを行ってきました。これは、アメリカ研究所やIT研究センターに関わる皆様の日夜のご尽力により支えられてまいりました。

このような先端的な実績が認められて、今回のプロポーザルが一五・七%という低い採択率にもかかわらず、本取組が採択されたのだと思います。

なお、採択理由は次のとおりです。


本取組は、国際間の遠隔授業の新しい体系の確立を目指したオンデマンド型e-Learning の構築を目指しています。既に海外からの遠隔授業やこれらのコンテンツを用いたe-Learning の経験を持っており、評価結果を教育活動にフィードバックする体制も整備されていますので、実現性が高いと考えられます。同時双方向に行っている授業をそのままオンデマンド化した授業で教育効果を高めることができるかが課題です。この点を考慮して多くのコース開発が成されることを期待しています。

既に、オンデマンド授業を行うことはこの取組の前提条件に入っており、そこでより教育効果の高いコンテンツ作りを期待されていることと思われます。学内教職員や学生、ご父母、卒業生の皆様には、この取組に対する期待・意義を深くご理解していただき、本取組へのご支援をお願いする次第です。  昨今の少子化の折、大学は十八歳人口を頼りに生きていくことはできません。今後、卒業生の継続教育(CPD=Continuing Professional Development)が大学の任務の中で大きな比重を占めていくことは必須の状況と思われます。

そして、CPDにとってオンデマンド型の教育はなくてはならないものですから、このような観点からも、皆様のご支援をお願い致したく存じます。

  1. Managerial Accounting
    2007.04.21/06.02
  2. Financial Decisions
    2007.06.09/07.28
  3. Organization and Management
    2007.08.04/09.22